―MEMORY―
彼女の笑った写真。
棺に眠る彼女。
僕の持っている写真。
全て見比べてもわからない。
僕は何を大事にしたら良い?
全く覚えていない写真の彼女?
優しく笑いかけてくれた、眠る彼女?
わからない。
葬儀が終わって、彼女の物を整理していた。
彼女の服を見ると、見覚えのあるものが多かった。
それは彼女がいつも着ていたから。
この服達にも、彼女の温もりはもうない。
次々に見る彼女の遺品。
そして、一枚の写真。
彼女と、僕。
薔薇を背に、微笑む僕達。
「嘘だぁぁぁあああ゙!!!!」