―MEMORY―
戦場はまさに地獄だった。
昨日まで、仲良く話していた奴達が、血塗れで隣に倒れている。
君と僕のように、愛し合った人が居ると言っていた。
お揃いだと言っていたペンダントを握り締めて、彼の心臓は止まっていた。
明日は、彼の位置に僕が居るかもしれない。
僕が君との写真を握り締めて、呼吸が止まるかもしれない。
死んで……しまうかもしれない。
会いたい。
死にたくない。
君を一人で置いていくだなんて、嫌だ。
恐い。
死ぬのが恐い。
僕は臆病者だ……――