たからもの
その日は直人の家に行く予定だった。

準備をしていると携帯が鳴った。

直人が私の家に着いたようで、私は姿見で自分を確認し、玄関のドアを開けた。

私の視界の先にはラフな格好をした直人がいた。

「おはよう!!」

私は軽快に声をかけた。

「おう。」

直人の隣に並び、自転車をこぎ始める。

直人の家に着く。

「お邪魔しまーす…。」

「楽にしてて。誰もいないから。」

直人の部屋に上がった。

「結構広いね!!」

「そう？」

私は椅子に座り、直人はベッドに座って、恋愛の話や、旅行の話や、受験の話や、中学校の頃の話などをたくさんした。

「喉渇かない？家、酒屋だから酒しかないけど(笑)」

「うん。じゃあ飲む!!」

直人が酒を持ってきたので２人で飲んだ。

呑むと、テンションが上がり、会話は増えた。

そして、直人は酎ハイを３本ぐらい飲み、完全に酔っていた。

直人はベッドから立ち上がると私のそばに座った。

私は椅子からおろされ、直人の膝の上に座らされた。
< 215 / 231 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop