君の秘密は家の中

「…銀ちゃんは?」

「銀弥は…出掛けたんじゃね?」

「ふーん、あなた誰?」


なんだこいつ。


「…俺は、琴海」

「琴海?へーいい名前だね」

「笑わねぇの?」

「ははっ!なんで」

「女みたいな名前って」


普通は笑う。
だから俺はこの名前が嫌いだった。


「笑わないよ。いい名前じゃん。琴ちゃん」

「琴ちゃん?」

「いいねぇ。」

「お前の名前は?」

「…ない」

「は?」

「私に名前付けて!」

「…は?」


なんなんだこいつ。本当に


「早く」

「じゃー…蒼空」

「あおぞら?」

「何でもいんだろ?」

「いいねぇ!蒼空!」


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