緋桜鬼譚
必然の想い
――夢を見た。とてもとても、幸せな夢だ。
青空の下をゆっくりと歩く。隣には彼の姿。手と手を繋ぎ合って、しっかりと指を絡めて。
そんな些細なこと。そんな些細なことで、これ以上ないほどに幸せを感じる――
それを伝えたくて、隣の彼に笑顔を向ける。彼も、笑い返してくれたのだと思う――逆光で、確かめることはできなかったけれど。
――ああ、これが現実ならいいのに。
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