雑用部+α


悪魔の儀式を見た後、猿渡は山田を捜し始めた。
いや、出来れば少女と一緒にいたくないからであるが。

「…止めに…行ってくる」

そう言って、逃げるように部屋を出て、山田を捜しに行く猿渡


だが、心中どうでもよかった

もともと、山田とはそう言う間柄だ。


相手のプライベートなど、一切知らない


先輩と後輩というのもあるし

もともと二人とも、他人には興味がない性格だからだ


「えっと…山田は…」

「君、かわいいね」


どこか近くで聞き覚えのある声がした。


「僕とデートしない?」


ナンパかよと思いながら、声がする方に行ってみた


男子生徒が女子生徒に話しかけてる


「なにしてんの?あんた」

その男子生徒は、猿渡を見る。

まぁ猿渡が男子生徒に声をかけたからだが


「おお。猿」


「猿じゃない。猿渡だ」


「そうそう、秀吉。
で、何してるわけ?」


「おまえこそ、なにナンパしてるわけ?」


「かわいいからだよ。な、君ってあれ?」


さっきまでいた女子生徒はいなくなっていた。


「おめーがよそ見してる間に、逃げたぞ」


静かに言う猿渡

「…チッ。まぁいいや。あんなブス」

「いや、最低だな!!」

「ナンパ最高!!」

「おまえは最低だけどな」




哲と別れた後、何気なく音楽室に立ち寄ると、山田がピアノを弾いていた

何故か知らないけど

―何気にうまいな

率直にそう思った。


猿渡に気付いた山田はピアノを中断し、

「あ、秀吉。生きていたか」


「勝手に殺すな」

「沢尻エ〇カって可愛いよな」

「急にどうした」

「きっとあの人はツンデレキャラで、何気ないところで頬を赤く染めたり」


この話が、30分ほど続いた。

妄想力、恐るべしっ


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