雑用部+α
「猿渡先ぱ…じゃなくて、秀吉」
「わざわざ言い直さなくていい」
「沢尻なんて子、3の2にいませんでした」
「は?でもあの子」
「ウン子のことですか?多分僕らはめられたのでしょう」
「でしょうって…なんで説明口調?
つか、ウン子ってあだ名かわいそすぎるだろ」
「ウン子だからウン子なんです。
んでそのウン子が、部室を荒らしてたんです」
「何でわかるんだよ」
「だってウン子が部室を荒らしてたの、僕、見たもん」
「見てたなら止めろよ!!」
「あ、ついでにこんなの見つけちゃいました」
そう言って、古い写真を出した
「おめーも一緒に荒らしてたのかよ!!!」
「はい」
「いや、はいじゃないからね」
「人に嘘はついてはいけないと、小さい頃言われたので、知らないおじさんに」
「嘘つく、つかないの前に警戒しろよ」
「人をあまり警戒するなとも言われました
知らないおじさんに」
「誰だよ!!そのおじさん。どういう関係!?」
「おじさんが言うには、昔昔のそのまた昔に、僕に命を救われたとか」
「絶対嘘だろ…」
「…僕…お父さんいないので、もしかしたら」
山田は目線を下にした
「え…」
「僕のお父さんかも…」
「……」
「ま、嘘だけどね。お父さん、死んじゃってるし」
「嘘なんかーい!!!てか、結局、空気重くしてるじゃねーか!!!」
「お父さんの顔が、猿渡に似てるんです」
「…」
「猿渡はお父さんみたいな老け顔だから」
「悪口な。悪口はよくない」
「よく見ると、知らないおじさんにも似てるな…」
「どういう意味だよ!!?何歳に見えるんだよ!!」
「88歳」
「見積もりすぎじゃーい」
「知らんがな」
「軽く流すな」