雑用部+α
猿渡たちの思いとは裏腹に一向に姿を現さない不審者。
「イライラする。山田、一発殴らせろ」
「そのジャイアン思考…やめた方がいいですよ」
「うるせー!!!校長ってヅラなの知ってた?」
「えー知りませんでした。今度、朝会のとき引っ張ってみよ」
とまぁ、こんな感じで、不審者が出ないイライラを抑えていく二人。
しかし、今日は不審者が現れることはなかった。
※
―次の日―
学校が休みにも関わらず、猿渡と山田は部室にいた。
別に、他の部活の雑用のために、来てるわけではない。
「おかしいと思わないか?」
「思いません」
「いや、思え!!!強制だ。ウン子が二日も無断で休んだ。部活を。ま、別にこれは何の問題もない。しかし!!音信不通なのだ!!」
「単に猿渡の電話に出たくないだけなんじゃないんですか?」
「そんなわけねーだろ!!いや、もしかしたらそうかもしれないけど…とりあえず、家に行こう」
「家に行って何するつもりですか?犯罪?」
「そんな卑猥なこと、するつもりはない」
「なんか猿渡のキャラ、変ですね。自分見失ったとか?」
「あ、わかる?多分キャラが変な感じになったんだ」
「じゃあ仕方ないですね。じゃあ、ウン子の家に行きますか。そしてあんなことや、こんなことを…」
「女の敵だな…あんた」
※
【ウン子(寺島明美)の家】
ピンパーン
「おーい、ウン…じゃなくって、寺島明美さーん、いますか?」
ドアを叩いても反応しない
「寺島明美、いるならいるって返事して下さい。いないならいないって返事して下さい」
「いや、いないは無理だろ」
その瞬間
「いませーん。いや…いるかな?どっちかな?」
中から返事が聞こえてきた
声は続けて
「さあ、当てて味噌?」
「古ッ!!!」
反射的に猿渡は叫んでいた
中の声は
「かに味噌っておいしいよね」
「はい」
山田が答える
「じゃあ、早く答えて。私が好きなの!!?」
声の主は、さっきとは関係ないことを聞いてくる
「いや、関係ない」
と猿渡は言おうとしたが、山田によって阻まれた