雑用部+α

猿渡たちの思いとは裏腹に一向に姿を現さない不審者。


「イライラする。山田、一発殴らせろ」


「そのジャイアン思考…やめた方がいいですよ」

「うるせー!!!校長ってヅラなの知ってた?」


「えー知りませんでした。今度、朝会のとき引っ張ってみよ」


とまぁ、こんな感じで、不審者が出ないイライラを抑えていく二人。


しかし、今日は不審者が現れることはなかった。




―次の日―

学校が休みにも関わらず、猿渡と山田は部室にいた。

別に、他の部活の雑用のために、来てるわけではない。

「おかしいと思わないか?」


「思いません」


「いや、思え!!!強制だ。ウン子が二日も無断で休んだ。部活を。ま、別にこれは何の問題もない。しかし!!音信不通なのだ!!」


「単に猿渡の電話に出たくないだけなんじゃないんですか?」


「そんなわけねーだろ!!いや、もしかしたらそうかもしれないけど…とりあえず、家に行こう」


「家に行って何するつもりですか?犯罪?」

「そんな卑猥なこと、するつもりはない」


「なんか猿渡のキャラ、変ですね。自分見失ったとか?」


「あ、わかる?多分キャラが変な感じになったんだ」


「じゃあ仕方ないですね。じゃあ、ウン子の家に行きますか。そしてあんなことや、こんなことを…」


「女の敵だな…あんた」





【ウン子(寺島明美)の家】


ピンパーン


「おーい、ウン…じゃなくって、寺島明美さーん、いますか?」


ドアを叩いても反応しない

「寺島明美、いるならいるって返事して下さい。いないならいないって返事して下さい」

「いや、いないは無理だろ」

その瞬間

「いませーん。いや…いるかな?どっちかな?」

中から返事が聞こえてきた

声は続けて


「さあ、当てて味噌?」


「古ッ!!!」

反射的に猿渡は叫んでいた

中の声は

「かに味噌っておいしいよね」

「はい」

山田が答える


「じゃあ、早く答えて。私が好きなの!!?」


声の主は、さっきとは関係ないことを聞いてくる

「いや、関係ない」

と猿渡は言おうとしたが、山田によって阻まれた

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