雑用部+α
「君が答えを求めるなら…答えてあげるよ。しかし、それは結論が出るということになる」
何やら変な方向に進んでいった
「結論が出たら、それはすっきりする。しかし、それと同時に、今まで気になってた物がそうではなくなり、どうでもいい物になって言ってしまう
それはつまり僕が君を愛してると言った場合、君にとって僕の愛はどうでもいい物になってしまう」
(こじつけすぎだろ)
猿渡は内心そう思ったが、敢えて口には出さなかった。
「僕はそれがとても嫌だ。そして、僕は君を愛していない場合、君を傷つけることになる。いや、君が僕を好きじゃなかったとしても、誰だって嫌いと言われたら、ショックは受ける。僕はそれも嫌だ。それでも君は、僕に答えを求めますか?」
「……」
声の主は、暫く黙っていた。
妙な静けさが辺りを支配していった。
今は車の音しか、猿渡には聞こえない。
風はなし。人の声すらも聞こえない。
「私は…」
声の主が沈黙を破った。
「私は、絶対に答えを聞いても、どうでもいいとは…思いません。それに…傷つきません。例え…悲しい気持ちに襲われたとしても、私は大丈夫ですから…」
声の主―寺島明美は静かに言った
「僕は…」
山田も口を開く
「僕は本気です」
はっきりと、真剣な顔で言った。
「あなたを幸せに出来るかなんてわかりません。でも、守ります。どんな障害でも」
「…山田くん」
「だから…ドアを開けてくれませんか?二日間、あなたの声すら聞けなかったんで、つらいんです」
「……」
暫く間があったあと、ドアが開いた。
「返事…聞かせてくれませんか?」
優しく微笑む山田。
「私も……あなたが好きです」
そして二人は抱きしめ合った