雑用部+α


怒りを発したところで、どうしようもないので、猿渡は哲とまた作戦を話し合った。


「出来るだけ穏便に済ましたいな」

「揉むのを?」

「何でそういう考えに走るんだよ!!」

と、言ったあと、哲はバンッと机を叩き

「誰も胸だとは言ってないだろーが!!
そういうエロチックな考えを持ってるのはおまえの方だ!!」

最後にビシッと指を猿渡の方に向けた。


―ガチャ

急にドアが開いた。
アイドルでいそうな、清楚で、かわいらしい女の子が立っていた。

―どなた?

猿渡は全く知らなかったが、哲は少々驚いた顔をし、小さな声で呟いた。

「唯…」


どうやら、この女の子がストーカー野郎こと、沖川唯らしい。

「何でいんの?」

苦笑いで、哲は言った。
沖川唯は、哲のもとに駆け寄り

「哲先輩がこの教室に入っていくのが見えましたから…」

少し間をあけた後、沖川唯は寂しそうな笑顔で

「私たちは愛し合いましたよね?なのに…ストーカーだなんて酷いです。私は本当に…本当に哲先輩が好きなのに…」


言い終わるとポケットから果物ナイフを取り出した。

「本当に…酷いです」

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