雑用部+α
※
「あ、目が覚めた」
冷たい声が、哲の耳に入ってくる
「…てめぇかよ」
少し怒りを含んだ声で言った。
「それが、一応心配してくれた友に言う台詞か?」
「てめーと友達になった覚えはないけどな」
「うるせー!!それにしても…」
と怒鳴ったあと、猿渡は辺りを見回し
「誰一人おまえの見舞いに来てないな」
と嫌味を言った。
「うわっ!!寂しいなっ!!俺っちショックだ」
「俺っちとかキモッ!!」
「最近の流行りだよ」
「そんなの流行るわけねーだろ!!」
「帰りの挨拶あかんべー」
「ドラ〇もんか!!つーか最近流行りなの?ドラえ〇んの台詞」
「おお」
と二人はいつも通りの会話をした。
腹を刺されたというのに、すごいね。哲。
「んで、沖川唯のこと警察に言う?」
「ううん」
猿渡の質問に哲は首を横に振り、夢のなかで思ったことを猿渡に話した。
だんだん呆れ顔になる相手のことなんか、全く無視をして
そして最後に哲はまとめた。
「ま、唯の大きな愛が、俺のハートを射止めたってことだな」
と、明るく言ったが、猿渡は思いっきり殴った。
※
この4日後、哲と沖川唯は付き合い始めた
全く、人騒がせな話だよね。
哲の従兄弟で、沖川唯に刺された、女子はとんだ迷惑な話だよね
それと不思議なことに、この事件に全く先生が関与しなかったことだ。
普通、生徒が刺されたら、何か聞くはず。
まぁ、いいか。
-end-