高校生の事情

そんなタケルを見ながら
「タケル、気をもって!!」
と言いながらタケルを立ち上がらせる。

私は周りを見渡しながら

部屋の電球をつけると薄暗くぼんやりとしていた部屋がはっきりとした。

「ギャーーーー」
とタケルはまた叫びながら私に抱きついてきた。

リアクション…女だな。

そう思いながら辺りを見回す。

テーブルに小さな台所。ベッド。

テーブルの横にはタケルが見るなり叫んだ鹿の頭と古びた斧があった。

……まぁビビるのも無理はないがこの鹿は作り物だ。
と思いながら今日はここを使わせてもらうかとタケルに言うとタケルは「はっ!?無理無理!俺ら餌にされるぞ」と首をおもいっきり横に振る。

「あそ。ならタケルは外に寝るのね。中より外にいるほうが私はタケルが獣の餌になる確率は高いと思うけど」
とタケルにいうとタケルは青ざめた顔で「ならおれこの部屋でねる。で、まどかから一時も離れない。」

タケルはそういいながら私にしがみつく。

< 135 / 151 >

この作品をシェア

pagetop