高校生の事情
猪は突進の準備をしている
……。
来る!!!
そう思ったと同時にボロい小屋のドアは猪が突進したところだけ穴があいた。
猪は止まることなく私に突進してくる。
パッーン
と私は持っていた傘を勢いよく広げると突進しそうになった猪は慌てて立ち止まりながらUターンをして自分が壊したドアに向かって勢いよく逃げて行った。
私は緊張が解け、床にへたっと座り込んだ。
こ、怖えェェェェー(泣)
私は持っていた傘を投げ捨て放心状態だった。
うまく今起きた状況が理解できない。
安心したのか腰が抜けて立てない。
「まどか?」
と状況を知らないタケルは猪がドアに突進してきた音で起きたんだろう。
何も知らないタケルを私は冷めた目付きで見ながらあの恐怖をタケルにも味わってもらいたいぐらいだとタケルを憎んだ。
まじ、何回叩いたと思ってるのよ!!!私、タケルの顔まで叩いたのに全然起きなかったから一瞬死んだと思ったのよ!!!
そう叫びたかったけど叫ぶ気力もない。
「タケルのバカ!!最低!!こっちは…失敗したら死ぬか生きるかの狭間…だったのに!!タケル何回叩いても起きなかったから後で…倍返しにしてやるって…思ったのに…ヒック…ウッ」
恐怖と緊張から解放されて気付けば泣いていた。
「私も!一応、女だから怖いって思うときだってあるのよ!!」
と私はタケルに叫ぶとタケルは
私を優しく抱きしめた。
今度は安心したのか更に涙がでてしまった。
もう、3年ぐらい泣いてなかった。