高校生の事情
私の感が外れるのは嫌だがその男はゆっくりと立ち上がりそしてゆっくりと振り返った。
…。行動、うぜぇぇぇぇ~ゆっくりにもほどがあるし
これじぁ、スローモーションじゃないか!!
やっぱり、行動が遅いんなら相手は爺さんだな~!!
…………!爺さんじゃない
「じ、爺さんじゃない!」
すると視話呼が
「爺さんじゃないなんて失礼じゃない!どんな想像してたのよ!!」
と私の肩をどついてくる。
まるで親だな。この視話呼
「随分と仲がよさそうですね?待ってましたよ?お嬢さん。」奴は澄んだ声でそういった。
はん!?こんの野郎あたしがどんだけあの階段を登ったと思ってんだ!!あそこで私はいっぺん死んだんだぞ!!美和子が助けてくれたが。
ったく、にしてもこの男は爺さんじゃないな。
焦げ茶のストレートな髪につぶらな瞳、長身な身長。端正な顔立ちだ。
…。爺さんはおいつけねー
「で!あたし、あんたを一発殴りに来たのよ。」
といい終えた瞬間、私は強烈な左のストレートパンチを奴に食らわせた。
へへん、ざまぁねな。
「イッテェ…」
小さいうめき声だこと。
「私を監禁するなんて十年早いんだよ。」
奴は殴られた頬を押さえながら私を睨み付けた。
「ん?親にも殴られたことないのに~っていう?」
奴は黙ってなお私を睨み付る。
「この女、女じゃねー」
お!あの澄んだ声なんて及ばない低ーい声で女じゃないと?女じゃなくさせたのはあんたが監禁したからでしょーが!!
「女?私が自分の口で『私は女でーす!』なんていったかしら?言ってないわよね~?」
実際女だけど、こいつが女じゃねーとかいうから言い返してみた。
「この女、女じゃないうえに口まで達者だ。」
こいつさっきからねちねちと。男のくせに。