高校生の事情
私は気付いたら涼をなぐっていた。
それに気付いたタケル達もかけよってきた。
「来るなっ!!」
そう私がいうと運転手とタケルは立ち止まった。
「てめぇにはがっかりだ。だから私が教えてやる。
あまえてんじゃねーぞ。」
私は涼の胸ぐらを掴みさけんでいた。
「あんたが別れようって言ったときはどんな気持ちだった!!あんたは好きな奴はいないって彩ちゃんに言った。彩ちゃんがあまり自分の気持ちを打ち明けなかったから不安だったんじゃないのか?本当に俺の事が好きなのかがしりたかったんじゃないのか?」
「………。」
「だから別れたくはないけど彩ちゃんを試した。そうじゃないのか?」
「…。」
「実際、彩ちゃんはあんたの事が大好きだった。あんたが女と親しげに話してるのをみて、苦しんだ。言いたくても言えない勇気のない自分に腹がたった。そしてあんたといる女にも腹がたった。これが嫉妬だよ。好きだからこそやきもちやくんだ。」
「…。」
涼は俯いていた。そして肩が震えていた。泣いている
「彩ちゃんはあんたとデートした後必ず私に楽しかったって言ってきたよ。本人にわがままいったら嫌われてしまう、やきもち妬いたらうざがられるかもしれないって。彩ちゃんなりに考えてんだ。」
「…。」
「彩ちゃんが自分の気持ちを言うのにどんだけ勇気がいると思ってんだよ。なのに彩ちゃんはあんたに嫌われる覚悟で自分の思った正直な気持ちをあんたにいったんだ。」
「…。」
「別れたくないって、やきもちやいたって、デート楽しかったって言われたときあんた今まで悩んでた不安がとけただろ?」
「…。」
「なのに、あんたは一瞬の緩みで優越感に浸った。もうなにも不安がなくなったから天狗気分になったんだろう。」
「…。」
「私はさっきのあんたの行動ですべてよみとったんだよ。あんたは彩ちゃんの本当の心をみていない。一年以上も一緒にいたのに。あんたは気付こうとしなかった。」