煌めきの瞬間
変わりゆく心 ≪楓side≫
中庭を後にして体育館に戻ろうとすると、入口に隼人が立っていた。
なんだよ……。
なんだかむしゃくしゃして、今は誰とも関わりたくない。
けど、何か言いたそうな顔つきをしている隼人に仕方なく口を開いた。
「何?」
無愛想に声をかけると、隼人が静かに口を開いた。
「なんか、らしくないな?」
『らしくない』って……
「何が?」
「楓さ、自分じゃ何も気づいてないんだな」
「だから、何が?」
隼人が言ってる意味、全然わからない。
ただでさえ腹が立ってるのに、このままだと話すのも嫌になる。
あからさまに溜め息をついた俺に、隼人は苦笑いを見せて言った。