煌めきの瞬間
いつもより少し低く感じた隼人の声に振り返ると、真剣な眼差しが俺を捕らえた。
隼人……?
一瞬、俺を睨みつけているように見えた。
けれどその瞳はすぐに柔らかいラインを描き、いつもの明るい声が俺の鼓膜を揺らした。
「まっ、気持ちをぶつける事は良いと思うけど、今度ぶつける時は深呼吸して足元を確認することだな」
はっ……?
俺の肩をポンッと叩いて体育館の中に入っていった隼人。
今日の隼人はなんだかいつもと違う気がした。
なんだよ……。
ぶつける前に深呼吸? 足元……?
そう思いながら視線を下ろすと、一瞬自分の目を疑った。
土……?
靴に土がついてる。
俺、中靴のまま外に出て、ここに戻ってきたのか……?
初めてその事実を目の当たりにした俺は、自分の行動を思い返した。