煌めきの瞬間



俺……

あの子……春香ちゃんを見てると、時々イラついてた。



困った顔や言葉を飲み込む姿を見てると、何か言いたくなって……。

けど、それが何かわからず黙ってた。



隼人に助けられてる彼女を見ると、そのくらい自分で言えよって思った。

もっと、ちゃんと相手と向き合えって思った。



だから、さっき体育館から逃げ出した彼女を見た時もイラついて……


気がつくと追いかけてた。





自分の事情を隠して彼女を慰めてる大地にも腹がたった。


二人で慰め合い、足踏みしてても先に進めないだろって……。




だから……

だから俺…………



――あっ





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