煌めきの瞬間



美鈴は、真剣な表情のわたしを目を丸くして見た後、頬をふっと緩めた。



「春香、わたしね‥‥今まで本当の友達っていなかったの」



え‥‥?



「いつもわたしに近寄ってくる子の目的は隼人。隼人や楓さんに近づきたくて、わたしと友達になろうとしてきた」



話をしている美鈴の瞳は、何かを思い出しているような‥‥どこか遠くを見ているようだった。



「だからね、春香が顔を赤くして『嬉しかった』って言ってくれた事、本当に嬉しかったんだ。隼人を知らない春香が、わたしを求めてくれて嬉しかった」




そうだったんだ‥‥。

美鈴はそんなふうに思ってくれてたんだね。



わたしは美鈴の瞳を見て口を開いた。



「美鈴、わたしね‥‥わたしも今まで友達って呼べる子がいなかったんだ」


「春香も‥‥?」


「うん。自分に自信がなくて、いつもどこかで遠慮してて‥‥だから、こんなふうに話が出来て本当に嬉しいよ」




にっこりと微笑み合ったわたしと美鈴は、言葉だけではない『友達』になれた気がした。


初めての友達に‥‥。





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