煌めきの瞬間
走って体育館に向かったわたしは、もうほとんど人が居ない体育館の床を見渡した。
あれ~、無いなぁ。
誰か職員室に届けてくれたのかな?
辺りをキョロキョロと見ていると、どこか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「これを探してる?」
「あっ、それ‥‥」
青色のネクタイをした女の子が三人立っていて、その中の一人がわたしの財布を持っていた。
「それ、わたしのです。ありがとうございます」
にっこりと笑って財布を渡してくれた彼女は、
「これから職員室に届けるところだった」と話してくれた。
ポケットに財布を入れてホッとしたわたし。
もう一度お礼を言って教室に戻ろうとすると、後ろから声をかけられた。
「ねぇ、あなたってさっきの美鈴って子と仲が良いの?」
え‥‥?
彼女たちの顔をよく見ると、さっきわたしたちに隼人さんとの関係を聞いてきた人たちだった。