煌めきの瞬間
目の前に立っている安藤さんの姿を見上げ、自分の目を疑った。
「どうして!? 今、後ろに‥‥」
「何言ってるか聞こえないし、大きめの石があったからそれ使って飛び越えた」
そうだったんだ‥‥
――って、状況は変わってないよ~!
熱くなってる頬に、ぽたぽたと涙が零れ落ちた。
痛いし、苦しいし、恥ずかしいし‥‥
最悪だよ……。
歪んだ視界の中で涙を拭っていると、安藤さんの声が聴こえた。
「泣かなくていいよ」
え‥‥?