煌めきの瞬間
「咲坂さん、安藤さんからわたしの事聞いてないみたい」
「そうなの?」
「うん。メールで、『お腹こわしたの?』って‥‥」
咲坂さんと安藤さんはいつも一緒にいるのに、どうして言ってないんだろう‥‥。
「楓さん、元々無口で興味のない事は口にしない人だから」
え‥‥?
一瞬間があったような感覚の後、美鈴の言葉がチクリと胸に入り込んだ。
そっか。そうだよね‥‥。
それは当たり前のことだよね。
「ははっ」
「春香?」
「あっ、チャイム鳴っちゃった! 咲坂さんに大丈夫ってだけでもメール打たなきゃっ。
美鈴、また後で話すね!」
チクリと入り込んだ痛みを誤魔化すように、わたしは咲坂さんにメールを返信した。