煌めきの瞬間






昼休み――



安藤さんの制服を持って体育館に向かった。



制服のシワ……
ちゃんと謝らなきゃ。



たくさんの人で混み合っている体育館で、わたしは安藤さんの姿を探した。


「楓さん、来てないね~。
隼人にメール送ってみようか?」



隣で携帯電話を手にした美鈴。

背伸びして辺りをキョロキョロと見渡すわたしの視界に、ドキッとする影が入り込んだ。



「あっ……」



いた。





白いワイシャツ姿の安藤さんが、焼きそばパンを手に持ち歩いている背中。



「安藤さ……」

「楓さん!」



安藤さんに向かって口を開いたわたしの隣から、美鈴の姿が消えた。





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