煌めきの瞬間
恋心
4人で過ごした昼休みは、あっという間だった。
時々、女子生徒が数メートル先で咲坂さんを見つめてたり、声をかけてきたりした。
咲坂さんはそんな彼女たちにも笑顔で答え、
大地くんは、その度に「やっぱすげ~」って感動しているようだった。
「じゃあ、またな」
「うん」
それぞれの教室に戻る時、咲坂さんがわたしと美鈴の頭にポンッと手の平を乗せた。
今日は、咲坂さんの新しい一面が見られた気がした。
みんなに優しくて、大地くんのことも厄介だと言いながらも、あんなふうに一緒に過ごしたり。
咲坂さんがモテる理由って、外見だけじゃないんだよね。
「おい、もう付いて来んなよ」
「俺の校舎もこっちです!」
「……明日は来るなよ」
「えっ、どうしてですか!?」
遠く離れても、廊下に響く彼らの会話が耳に届く。
ふっと頬が緩んだ時、美鈴が口を開いた。
「春香、隼人の事が好き?」