煌めきの瞬間
「おまえたち、最近授業中騒がしいぞ」
教壇の上で眉の間に皺をよせた数学の教師の言葉にムッときた。
『おまえたち』ってどういうことだよ。
騒がしいのは隼人だけだと思うけど。
「すみません。これから気をつけます!」
隼人はこの場を早く切り上げようと、教師に笑顔で謝った。
こういう時、愛想の良い隼人は得かもしれないって思う。
俺は社交辞令とか、思ってもない事は口に出来ない。
「安藤は? わかったのか?」
「……」
「おまえは返事も出来ないのか。放課後職員室に来なさい」
最悪。
おまえのせいだと言わんばかりに隼人に目を向けると、隼人が『ごめん』と唇を動かした。
今更遅い。