煌めきの瞬間


「あいつ、昔から俺のことをただの幼馴染としか見てないから」


そうか……?
あまり意識して見てた事がないからわからないけど、美鈴ちゃんって隼人といると嬉しそうだけど。



「なあ、そこ無言にならないで何か言うところじゃねぇの?」


「……何かって?」


「はぁ、もういい。楓に期待してもどうしようもねぇわ……」



大きなため息をついた隼人は、ぶすっとした顔を俺に向けた。



「いつから気づいてたんだよ……」


「いつって……結構前から」


「もしかして俺ってそんなにわかりやすい?」


「雪子と四人で会ってる時もそうだったけど、美鈴ちゃんが入学してからの隼人は足が宙に浮いてる感じ」


「マジで!? それってヤバイよな~」



両腕で頭を抱えたまま机に顔を伏せた隼人。


それってそんなにヤバイことか?






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