煌めきの瞬間
『やっぱ楓だ……』って何だ。
いつだって決めるのは自分自身だろ。
「楓はさ……誰かにすがりたくなるような悩みとかないわけ?」
「すがったってどうしようもないだろ」
「まぁ……そうだけどさ」
なんだ……?
何かが変だ。
いつもの隼人なのに、いつもと違う。
「……あっ、しつこいようだけど、やっぱ楓と春香ちゃんって何かあった?」
急にまたその話かよ……。
「別に何も。ただ動けなくなってた彼女を助けただけだよ」
「動けなくなってた?」
「ああ、お尻が塀にはまってた彼女を助けた。
こんな事、あまり人に知られたくないだろうから言わなかっただけだよ」
俺の言葉の後、隼人が目を丸くした。
「へぇ~」
「なんだよ」
「楓でもそんな気遣いするんだな」
「そりゃするよ」
「そうかな。俺が知ってる限り、楓は雪子意外にそんな優しい感情みせないよ」
「そんなことない」
「いや。いつもならただの無関心で言わないだけだったと思う」
隼人が言ってる事、訳がわからない。
俺はそんな冷たい人間じゃないし、美鈴ちゃんにだって優しくしてる。