煌めきの瞬間
誤魔化し
帰りのホームルーム。
みんなに球技大会のスケジュール表が配られた。
バスケ、野球、バレー、ソフトボール等。
それぞれの種目に分かれて第一高校と対戦する。
「うちの高校では、交流を深めるため三学年合同でチーム構成しているそうです。まず女子から黒板の種目のところ名前を書いて下さい」
クラス委員の梅津くんが進行すると、女子がどんどん名前を書いていく。
どうしよう。
運動音痴のわたしには、どれも苦手な競技。
けど、バレーなら体育の先生に褒められた事があるからバレーにしようかな。
「春香はどの種目にする?」
「う~ん……美鈴は?」
「わたしはバスケ。中学の時に部活でやってたから」
「すごいね」
「ねえ、一緒にバスケしようよ!」
「えっ……。うん、そうしよっかな」
そうだよね。知らない人たちの中でバレーをするより、美鈴と同じバスケをした方が心強い。それに、バレーの希望者が多いみたいだし……。
そんな軽い気持ちで、バスケの欄に名前を書いた。