いつかまた、同じ空が見れると信じて
「・・・いち?・・・修一!」


なんだか騒々しいな。

「母さん!修一が目を覚ましたよ!」

重たい瞼をやっとのことで持ち上げると、そこには目を真っ赤に腫らした兄貴と母さんの顔があった。

「修一!分かる?お母さんのこと分かる?」

母さんが僕の手をぎゅっと握る。

「・・・母さん。」

母さんはワッ泣き崩れた。兄貴は涙を拭いながら誰かに電話している。きっと父さんだろう。

「ほら修一。父さん。」

・・・やっぱり。僕は小さく笑って、耳元に当てられた携帯に向かって話しかけた。

「もしもし、父さん?」

「修一・・・。」

受話器の向こうで父さんが声を詰まらせているのが分かる。

(戻ってきたんだな・・・。)
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