いつかまた、同じ空が見れると信じて
次の日、僕は五時半の目覚ましで起きていた。昨日と同じ時間に行こうとする思いと、それでは彼女にわざわざ会いに行くみたいだというプライドとの格闘の末、結局いつもよりは早く、昨日よりは遅い、中途半端な時間になってしまった。
「目覚まし掛け間違えただけ、間違えただけ。」
なおも言い訳がましくそう繰り返しながら、昨日より三十分ほど遅れて公園に着いた。しかし、あのベンチに彼女の姿はなかった。あるのは忘れ物のタオルだけだ。公園をぐるりと見回しても、犬の散歩をしているおじいさんしか居ない。いくらなんでも彼女とは似ても似つかない。明らかに落ち込んでいる自分に落ち込みながら、自動販売機にお金をいれた。
「私、ウーロン茶でいいや。」
突然話しかけられてびっくりした僕は、思わずコーラのボタンを押してしまった。ガラガラガシャンと勢い良く出てきたコーラを取り出した彼女は
「あ~あ~。」
と言ってコーラの缶を思いっきり振り出した。
「おいおい、それコーラ・・・」
「え?ウーロン茶でしょ?」
百パーセント確信犯の彼女は、何の躊躇いも無く蓋を開けた。シューっと音を立てて勢い良く飛び出したコーラの噴水は黒い雨のように僕に降り注いだ。
呆気に取られている僕の手を、どこにそんな力があるのかと思うほどぎゅっとひっぱって、彼女は水のみ場まで走り出した。
「はい。ごめんごめん。」
(忘れ物だと思っていた)タオルを僕に渡す彼女は、ごめんごめんと言いながら笑い転げていた。笑ったほうが可愛いな。怒るのも忘れてそんなことを思っていた僕は、ハッと我に返って、コーラと顔の赤さをゴシゴシと落とし始めた。
「目覚まし掛け間違えただけ、間違えただけ。」
なおも言い訳がましくそう繰り返しながら、昨日より三十分ほど遅れて公園に着いた。しかし、あのベンチに彼女の姿はなかった。あるのは忘れ物のタオルだけだ。公園をぐるりと見回しても、犬の散歩をしているおじいさんしか居ない。いくらなんでも彼女とは似ても似つかない。明らかに落ち込んでいる自分に落ち込みながら、自動販売機にお金をいれた。
「私、ウーロン茶でいいや。」
突然話しかけられてびっくりした僕は、思わずコーラのボタンを押してしまった。ガラガラガシャンと勢い良く出てきたコーラを取り出した彼女は
「あ~あ~。」
と言ってコーラの缶を思いっきり振り出した。
「おいおい、それコーラ・・・」
「え?ウーロン茶でしょ?」
百パーセント確信犯の彼女は、何の躊躇いも無く蓋を開けた。シューっと音を立てて勢い良く飛び出したコーラの噴水は黒い雨のように僕に降り注いだ。
呆気に取られている僕の手を、どこにそんな力があるのかと思うほどぎゅっとひっぱって、彼女は水のみ場まで走り出した。
「はい。ごめんごめん。」
(忘れ物だと思っていた)タオルを僕に渡す彼女は、ごめんごめんと言いながら笑い転げていた。笑ったほうが可愛いな。怒るのも忘れてそんなことを思っていた僕は、ハッと我に返って、コーラと顔の赤さをゴシゴシと落とし始めた。