僕っ娘少女
「だから、龍真君運動神経いいでしょ?」
「………答えになって無いんだけど?」
「うちの学校はねぇ、治安が悪いんだよ」
にこりと笑顔を変えないまま淡々と語る理事長。
「なるほどね。つまり、暴力には暴力で。ってことだ」
「ひどいなぁ。力には力でだよ」
「十分ひどいじゃん」
毒舌を繰り広げる2人。
「まぁ、生徒会に入ってもらうからよろしく。後は勝手に顔合わせとかよろしく」
勝手に生徒会に入れられた透。
「君の相棒も入れとくから、よろしく言っといてね~」
そう言い放たれ、理事長室から追い出された。
また長い廊下に立たされる。
「ふつーの一般的いい人は人を廊下にほうり出したりはしないよなぁ…」
と嫌味をいうものの、返事が返って来るわけでもない。
理事長室はいまだ扉が閉まったままだ。
(て言うか、どうやって生徒会ってどこにあんの?)
また長い廊下を歩きながらぼぉーっと考える。
(生徒会ってことは、会長と副会長。後は執行部ってとこなのかな?というか、生徒会は部活に入るのかな…?)
などの疑問が次々に頭の中に浮かぶ。
(後で、担任にでも訊いてみよう)
そう思い、教室に向かう透であった。