僕っ娘少女

「それじゃぁ、改めまして。副会長の榊原志騎です」

「会長じゃないんですか…」

「僕が双子の兄、空野黄昏」

「僕が双子の弟、空野夕昏」

「はぁ」

気の無い返事をする透。

「夏目崇だ」

さらっと簡潔に教えてくれた長身の男。

「先程も言いました、龍真透です。理事長にいわれ、生徒会に来ました」

一応礼儀として一礼する。

「マジで女の子みたいな子だね。お前」

双子の片割れの黄昏が透に向かって言う。

「はぁ。どーも」

どうにもこうにも気のない返事をするのが得意らしい、透。

ぼーっと立ち尽くし、相棒とやらを待っている様子だ。

「ありゃ、いじりがいがまるでないね。夕昏」

「そうだねぇ。黄昏」

こそこそと双子が会話をした。

透は訊いていないらしく、いまだに黙っている。

「ところで、透はここに来たんだ?」

副会長の志騎が透に尋ねる。

「いきなり…呼び捨て……(まぁいっか)。なんか、僕は運動神経がいいからって」

細かい理由は透も知らないため、それだけしか言えない。

『運動神経がいいってだけなら、僕らに劣るよ?』
< 5 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop