きらい。だから好き。
そんなこと、言われなくても分かってるけど!!
そんなに簡単に割り切れないよ……!!


表では、ハルたちの陽気な声が聞こえた。


「あれ? 佐渡は?」


明らかに、私を呼んでいる会話。


耳を塞いで、背を向けた。


いつもなら『いるよー!』と言って、ハルの前に出ていく。

でも今は、出て行きたくない。


どんな顔でハルの顔を見たらいいのか、分からない。



──そう思っていたら、背後に足音を感じた。



「佐渡……?」

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