きらい。だから好き。
楽しげに話すミキ。
その笑顔はやっぱり、憎めないほどキレイで優しい。


だからこそ、ミキには言わなくちゃと思った。



私に嘘をつかれているなんて知らずに笑って欲しくないから、親友として、言っておきたいと思ったんだ──。


「ミキ……」

「なに?」


人ゴミに埋もれた私たちの話し声は常に、周りの騒音に吸収されかけていた。

その中でも聞こえるくらい、ハッキリとした声で、私はミキに言う。



「あたしも、ハルが好き」



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