Bad Girl~不良少女~



寝すぎたせいか、重い頭を振りながら下に降りる。


食卓の上には、ラップをかけてあるご飯と、おばあのであろう字で書かれた手紙が置いてあった。


「……"おばあは、ひいおじいさんのお墓参りに行ってきます。ついでに、2日ほど向こうでゆっくりしてきますから、家のことは頼みましたよ"って…、おばあいねぇのか」


ひいおじいさんのお墓ってのは、奈良にある。


もともと、おばあは奈良に住んでて、結婚したときに、こっちに出てきたわけで。


おばあの両親はおばあが中学生のときに離婚してるから、ひいおばあさんが住んでた場所も、お墓のある場所もわからないらしいから、いつもお墓参りに行くのはひいおじいさんの方だけ。


普通は、お母さん側について行くんだろうけど、おばあはお父さん子だったらしく、お父さんと一緒に奈良に住んでたみたい。


今でもたまに、こうしてお墓参りに出かけて行く。


元気だよね、うん。


「おばあいないってことは、うちの中めちゃくちゃだな、きっと」


いつもはおばあがみんなのこと暴れないように目光らせてるから、何にもなく終わってるんだけど、おばあがいなくなったらどうなるか…。


あぁ、もう、考えただけでつらいわ。


「家出ようかな…」


いや、マジで。聖華ん家でも行ってようかな、おばあ帰ってくるまで。


手紙には"家のことは頼みましたよ"って書いてあったけど、そんなの知るかっ!!


このうちを持ってしても、家族全員は抑えられねぇし。


みんな縄にでも括っとくかな。
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