Bad Girl~不良少女~
「………
ギャー!!!!!!!!!!!!!!!」
「なにそんな驚いてんの、稜ちゃん?」
ちょっと小首をかしげて、眉毛を上げる栗崎。
驚いてるもなにも…。
「あんた…どうやって入ってきたの?」
まず、そこを聞かなきゃ。
「ん?おばあちゃんが、入れてくれたよ」
「は!?」
ど…どういうこと!?
「おばあちゃん、奈良行くんでしょ?丁度、家出てきたときと、俺が来たときが同じでさ――」
「もういい」
栗崎の話を遮って、深くため息をつく。
あんだけおばあに言って聞かせたのに、なぜ入れる…。
頭に怒りマークをたくさんつけながら、引きつった顔で栗崎から離れていく。
「稜ちゃん、何してんの?こっちおいでよ」
一体こいつの思考回路はどうなってやがんだ。
この状況で、どうして栗崎のそばに行かなきゃいけねぇんだっつーの。
「何してんのはこっちのセリフ。早く出てけ」
もうこいつに怒っても仕方ないような気がしてきた。
事の始まりは、おばあが栗崎を家に上げたことだもん。