Bad Girl~不良少女~



でも。


それで普通に入ってくる栗崎も栗崎だよ。


なぜ、嫌われていることに気づかない!?


というか、気づいてるけど、気にしてない感じだな、こりゃ。


あー、厄介なやつ。


「そんな連れないこと言わないでさぁ、この家には今俺と稜ちゃんしかいないんだよ?」


「……は?」


何だって?


こいつ今、なんて言った?


この家には俺と稜ちゃんしかいない…?


「えぇ!?」


これ、相当ヤバい状況のような気がするのはうちだけ?


「だ・か・ら


大人しくしといたほうが、身のためだと思うけど?」


「っ……」


まただ…。


また、黒い目をした。


いつもの何も考えてないような無邪気な目じゃなくて、何も映してない目。


こういう目をするときの栗崎って、生徒会長じゃなくて、不良紛いのことをする。


どうしよう……。


まさか、栗崎とガチで喧嘩するわけにもいかないし。


真木稜、人生最大のピンチっ……。
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