Bad Girl~不良少女~
出口は栗崎側だから、外に出ようにも出れないし。
かと言ってこのまま栗崎と2人きりなんて死んでもいやだし。
もう頭んなか大変なことんなってる。
いっつも大して頭使わないから、頭痛くて仕方ないよ。
「稜ちゃん」
不意に、栗崎の声のトーンが変わった。
「あ?なんだよ」
もうこうなりゃ自棄だ。
なんでも答えてやるよ、襲われるよりマシだもん。
「俺のこと好きか?」
「は!?……死ぬほど嫌いじゃ」
いきなり何を聞くのかと思いきや…。
今までのうちの振る舞い見て、お前のこと好きなわきゃねぇだろーが、このバカ。
イラっとしながら答えたうちを見て、どう思ったのか、栗崎はちょっと悲しそうな顔をした。
「そっか……。なんで?」
変わらず低いトーンのまま聞く。
「なんでって…」
そういえば。
なんで嫌いなのかって聞かれたら、はっきりとした答えはない。
存在がイヤって言えば、そう。
自意識過剰な感じがイヤって言えば、そう。
ちょいちょい見せる裏の顔がイヤっていえば、そう。
でも……、どれもちょっとづつ違うような気がする。