Bad Girl~不良少女~



「残念。今日こそは落として見せようと思ってたのにな」


怪しくニヤっと笑って、栗崎は立ち上がった。


「じゃね、稜ちゃん。また明日」


「え…」


「俺もさ、そんなに暇じゃないんだよね」


そう笑いながら言う栗崎を見てると……。


もう帰っちゃうんだって思うと……。


なんだか、切なくなった。


「ちょ、稜ちゃん!?なんで泣いてるの?ねぇ…」


栗崎が驚いて近づいてくる。


自分でもわかんないよ、なんでこんなに涙が溢れるのか。


でも……、胸が締め付けられるように痛い。


不意に栗崎がうちをギュっと抱きしめた。


「ちょっ……」


「そんな風に泣かれたら……期待しちゃうよ?」


だから泣かないで、と栗崎は優しく言った。
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