Bad Girl~不良少女~
冷静になって考えて見ると、なんであんなことできたのか……。
不思議で不思議で仕方ない。
でも、きっとあのときのうちが本当のうち。
今までずっと栗崎に対する気持ちを隠し通してきたのかな?
もしかしたら、これが恋……?
恋…なんて、今までにしたことあるんだっけ?
もう忘れてる。
小さいころから喧嘩ばっかり。
うちの周りにいる男と言えば、柄の悪いすぐキレるような単細胞ばっかり。
栗崎みたいなタイプなんて、出会ったこともない。
そりゃね、こんな環境で育てば、恋なんてしてる暇もないのかも。
プルルルルル___
遠くで、ケータイが鳴ってるのが聞こえた。
急いで部屋に戻って、ケータイを開くと、聖華から。
「もしもし?」
「あ、稜?今、大丈夫?」
「おう。全然暇だけど」
「じゃ、今から会おうよ。私の家、来て?」
「……ん。わかった」
「あ、普通の服着て来てよ!?長ランなんて絶対イヤだからね」
「あぁ、はいはい。わかったよ」
面倒くさそうに返事をして、電話を切る。