Bad Girl~不良少女~
聖華にそう言われたから、仕方なくジーパンにTシャツに着替える。
女の子らしい服なんて、着たこともないし着ようとも思わない。
ポケットにいろいろ詰め込んで、バイクを引っ張り出してくる。
バイクに跨り、エンジンをかけて、聖華の家を目指す。
走りながら、なんで急に聖華から電話が来たのかと考えた。
別に、不思議なことじゃないんだけど、あんまり聖華から誘いがくることって意外と少なかったりする。
聖華の家の前にバイクを止めて、メットをハンドルにかけて、チャイムを鳴らす。
すぐにドアが開いて、聖華が迎えてくれる。
「いらっしゃい。入って」
玄関で靴を脱いで、おばさんに挨拶をしてから、2階の聖華の部屋に通される。
「適当にその辺座ってて」
そう言って、聖華は部屋を出て行く。
「久しぶりだなぁ…、聖華の部屋」
前に来たの、いつだったかな。
「お待たせ。麦茶でいいよね?」
「あ、うん。ありがと」
コップを机に置いて、うちと向かい合う位置に座る。