Bad Girl~不良少女~
バイクで走りながら、いつのまにか信二に連れてきてもらった堤防に来てた。
バイクを止めて、斜面に座る。
「すげ……」
すごく綺麗な夕焼け。
川に反射して、水もオレンジ色。
世の中に、こんな景色があるんだ。
ずっと、喧嘩のことしか考えてなくて、忙しく生きてきたから、こういうのんびりした時間ってなかったような気がする。
"稜のその気持ちは……恋、だよ"
聖華に言われた言葉が、ずっと頭の中を駆け回ってる。
"好きなんでしょ?"
"素直になりなよ"
"いつまでも意地張ってたら、大切なもの失くしちゃうよ?"
"失くしてから気づくんじゃ遅いんだからさ"
さっきから、ずっと頭から離れない。
自分が1番分かってる。
栗崎に対する気持ちを、ずっと欺いてきたことも。
栗崎を好きかもしれないってどこかで思ってたのに、ずっと気付かないふりをしてたことも。
自分が1番分かってたのに。