Bad Girl~不良少女~
「何してんの」
少しお互い黙ってから、もう一度栗崎が口を開いた。
「何もしてねぇよ。……夕日、綺麗だろ?あれ見てたんだよ」
「へぇ。意外とロマンチストなんだね、稜ちゃん」
「そういうわけじゃねぇけど」
少しずつ、日が傾いていくに連れて、水に反射する場所も少しずつずれる。
こんなん見てたら、喋る気なんて失せるよ。
ただぼんやりと眺めていたいって思う光景。
ふと栗崎を見ると、うちと同じ気持ちなのだろうか、ぼんやりとした表情で夕日を眺めてる。
ドキっ___
「っ……」
ヤバ……。
聖華にあんなこと言われたから、余計胸の鼓動が高鳴る。
なんだろう、直視できない。
ずっと、左胸の奥がドキドキしてる。
きっと、これが恋してるってことで、聖華が言う"人は恋すると胸がドキドキする"ってやつ。