Bad Girl~不良少女~
休み時間に入り、みんなは次の授業の準備に取り掛かるけど、うちはそんなことする必要もないから、教室の外に出る。
「稜、待って!!」
うしろから聖華が追いかけてくる。
「あんだよ」
「ううん。来てくれてありがとう」
「……別に」
聖華から顔をそらしたのは、きっと赤くなってるであろううちの顔を見られたくなかったから。
そんな素直に謝れたら、照れんだろうが。
「もちろん、授業は出ないんでしょ?」
「ったりめーだろ」
だから、うちの足は屋上に向いている。
「じゃ、次の休み時間一緒に行こう?」
「…ん」
まだ自分の中で躊躇いがあるのかは分からないけど、短く返事して足取りを速める。
もう聖華は用事がすんだから付いて来てないけど、それでもほとんど走るようにして屋上に上がる。
屋上に上がったと同時に1時間目の始業を知らせるチャイムが鳴った。