Bad Girl~不良少女~
「どうなんだよ!?」
「なっなんもねぇよ、マジで!!」
そんな気迫で来られたら、つい声も大きくなるってもんだ。
「…なら、いいんだけど」
栗崎はまだうちを抱きしめたまま、ふっと息をついた。
「なんだよ。お前らしくねぇじゃん」
ここまでの会話を他人が聞いたら、うちが男で栗崎が女みてぇだな。
喋り方とか、内容とか。
「別に、なんでもないけど」
「嘘つけ。見え見えだぞ」
なんかこういう立場もありかも。
いっつも追い詰められて、ペース崩されてるけど、今回ばかりはうちのほうが優位だな。
ちょっとニヤニヤしながら、栗崎の頬を突っついてみる。
「やめっ!!あのなぁ……」
うちの手を振り払って、栗崎はちょっと頭をかいた。
何かを悩んでるような、躊躇ってるような感じ。
「俺以外の男と……あんまっ喋んなっ」
え?