Bad Girl~不良少女~
なんとなくシュンとしてしまうのは、やっぱり栗崎に会いたいと思っているから?
ふーっとため息をついて、チラっと隣の2人を見る。
本当に幸せそうに話を続けてる。
なんだろうなぁ……。
急に自分が惨めな気がしてきた。
「ちょ、聖華。うち帰るわ」
栗崎がいないなら学校にいる意味もない。
「え、稜…?」
わざわざ会話を中断したのは、うちのテンションが普通じゃなかったからだと思う。
「友也、いないの?」
教室を見回して綾村はそう聞いた。
「……みたいだな」
とだけ答えて、階段に向かって歩き出したうちの腕を、聖華がキュっと掴んだ。
「どこ行くの」
「だから帰んだってば」
「ダメ。……栗崎先輩、探そう?」
「は?」
ググっとうちを引っ張りながら、聖華はそんなことを言った。
なんでわざわざそんなことしなきゃいけないんだ、おい。