Bad Girl~不良少女~
それから、職員室に寄って、栗崎がどこにいるか聞いたり、3年の生徒たちに聞いて回ったりしたけど、結局栗崎は見つからない。
「…どうしたんだろうなぁ、友也」
「ホント。せっかく稜が学校来てるのに」
「だからもうやめようって言ってんじゃん」
ふてくされながらそう言ったうちを、聖華は怖い顔して睨んだ。
「なんでよ!!なんのために稜は学校来てるわけ!?」
「なんで聖華がそんなヤケになんだよ」
聖華には綾村という列記とした彼氏がいるんだから、別にうちのことなんか構わなくたっていいのにね。
「稜には、本当に幸せになってほしいんだよ?周りの人にはそんな見た目だから怖がられてるけど、本当はいい子だもん。
それをちゃんとわかってくれる人と、幸せになってほしいから……」
切ない目をして、聖華は微笑んだ。
「聖華……」
とにかく驚いた。
聖華がそんな風にうちのこと思ってくれてたなんて知らなかったから。
「よし。今日は学校サボろうか?」
黙って成り行きを見ていた綾村が唐突にそんなことを言った。
綾村の言葉に、聖華はニヤリと笑って、肯いた。
「ちょ、ちょっと待てぇい!!」