Bad Girl~不良少女~
勝手に走って行ってしまった2人を奇声を上げながら追いかける。
サボろうってもうっ!!
うちがサボるのは誰も怒らないし、関係ないけど、2人までうちのせいでサボるのは絶対ダメだって。
綾村は完全なる受験生なわけだし。
「ちょっと待って、聖華!!」
「なによ。まさかサボりはダメとか言い出すんじゃないでしょうね、稜が」
目を見開いて聖華はうちの胸中を言い当ててしまった。
「……そのまさかです」
「えぇ!?」
驚きの声をあげたのは、聖華じゃなくて綾村でした。
「だって!!サボったっていう事実だけでも、綾村は受験生なんだし、まずいのに、
うちと一緒だったなんてバレたら、もっとヤバいだろ?2人にまでは迷惑かけらんないよ」
「でも、栗崎先輩___」
「栗崎なら、うちが探すから。2人は学校戻って」
うちの言葉に、2人はしばらく驚いた顔をしていた。
またも綾村が怪しげな笑みを浮かべて、踵を返した。
「ちょ、翼先輩!?」
さすが聖華で、そこはうちよりも早く反応して、綾村の後を追いかけた。
「また走るの…」
そう呟いて、聖華の後を追って駆け出した。