Bad Girl~不良少女~



うちが聖華たちに追いついた場所は、職員室前。


授業始まる3分ほど前だから、先生たちも忙しく出入りしている。


「失礼しまぁす」


ちょっと間延びした声で、職員室に入っていく綾村と聖華。


うちは職員室っていうものが嫌いだから、ドアを開け放したままで外に立った。


「先生、ちょっといいっすか」


綾村の担任(栗崎の担任でもある)を呼んだ。


「ちょっと具合悪いんで、今日早退します。…あ、この2人も一緒に」


「え?」


ポカンとしてる先生に綾村はニコっと笑ってウインクをしてみせた。


担任は男なのにちょっとドキっとしたような顔をした。


「ってことで、失礼します」


「お、おぉ」


普段の綾村の行いがいいからなのか、担任は怒ることもなく最後はなんだか爽やかに送り出してくれた。


「これでサボりじゃないだろ?」


「……事実上は、ね」


綾村のどや顔に苦笑しながらも納得。


「さ、行こう!!栗崎先輩探しの旅!!」


どうして聖華はこんなにもノリノリなのだろう……。


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