Bad Girl~不良少女~
こんなとこ、いつまでもいれないっての。
「おい、真木!!」
一応授業中なので、先生は呼ぶけど、もともと引き止める気なんかないんだから無視したって構わない。
チラッと聖華を見ると、なんで帰るのと言わんばかりの顔をしてた。
ニコッと笑って聖華から逃れるようにダッシュで学校を出た。
バイクを飛ばして、家まで帰ると、珍しく香矢が居間にいた。
「あれ、珍しいじゃん。学校行ってねぇの?」
「いや、途中で親父に呼び戻された」
「その親父は?」
居間を見渡しても、親父の姿はない。
さぁ、と首をひねって、香矢はケータイをいじる。
うちには関係のないことだろうと、そのまま自室へ。
家に帰ってきたところで、やることは別にないからベッドに横になる。
その間考えるのはやっぱり栗崎の事。
せっかく、最近いい感じで来てたのに、ここにきてすれ違いかよ…。
なんだか空しくも、切なくもある。
はーっと、またため息が出る。